感謝の気持ちを込めて!

自分は、プレス金型製作の業界に就き45年になるが、

この45年間の間に、結婚し、子育てをさせて頂き、

孫9人、ひ孫1人に恵まれ、何不自由無い人生を送らせて頂いた。

学歴の無い自分に、普通以上の人生を授けて頂き、今はただ

感謝の気持ちしかない。

 

金型製作を続けて来れなかったら、今の自分はない。

丁稚で働かせて頂いた最初の町工場に感謝。

数値制御機械を習得させて頂いた2社目の町工場に感謝。

3次元金型を習得させて頂いた3社目の町工場に感謝。

そして、独立後、仕事を下さった得意先に感謝。

 

恵まれていたのは、設計からトライ調整・納入まで、

ひとりで行う、町工場で修業出来たことだ!

そうでなかったら、独立後、東証一部の大企業と、

差しでテーブルに就き、質疑に即答出来なかっただろう!

 

又、大企業の社長から、「君は我が社の救世主だ!」

そう言って頂いたことも有った。

その時の仕事は、「回転式シェーバー外刃」を、

世界で初めて髭が侵入する穴を135個開けた状態で、

絞ることに成功した時だった。

 

電気店でよく見かける、オランダのフィリップス社製の、

3ヘッドの回転式シェーバーは最もポピュラーだが、

外刃の加工は、プレス加工+オール機械加工(電気加工)の

コラボにより、現在もその工法で製造されている。

 

私が契約し、取り組んだ企業A社の回転式シェーバー外刃も、

以前はプレス加工+機械加工(切削・研磨)だったが、

OEM先からのコストダウン要望に応える為には、

プレス加工のみで、髭進入穴の加工までを行わなければならず、

日本全国の金型メーカーに製作・検討依頼をしたそうだが、

断られ続けたと聞いた。

 

2012年2月29日~3月2日、東京ビッグサイトで開催された

FC-EXPOの、私が出展していたブースにA社の開発担当の方が

お越しになり、「この部品(外刃)のプレス化は可能か?」

そう仰られたので、「試作を行うことは可能です。」

「ただし、試作品が出来ても出来なくても費用は支払う。」

「前金で半額支払う。その内容の注文書を頂ければ着手します。」

 

いきなり生意気な条件を申し出たが、私としても正直、出来るか?

出来ないか? その場で判断できるような簡単なものでは無かったし、

私が懇意にしている業者の方にも協力を仰ぐことと、私自身も、

出来なかった場合、無償にするほど余裕が無かったのでそう申した。

でも、その生意気な条件にもかかわらず、一度も取引の無い、

会社の規模や内容もわからない弊社に、注文書を書いて下さった。

 

それだけ、OEM先からのコストダウンの要望が厳しかったことと、

コスト競争を繰り広げていた中国のシェーバーメーカーの台頭に、

A社は相当に追い込まれていたことが判断できる。

 

次のブログで、「回転式シェーバー外刃」の完成までを記す。

 

 

 

弊社にご興味のある方は「 tokuda.ard1272@gmail.com 」にメールを送信下さい。