コロナ禍の終息が全く見えないまま、本年も4か月が経過した。

引き続き医療関係者の皆様方には、心から感謝申し上げます。

自分が住む町の主治医は、未だワクチンが注射されていないとのことで、

一日も早く、リスク回避がワクチンでしか出来ない状況なので、

せめて、医療関係者の皆様方には、ワクチン注射を行って頂けるよう、

祈るばかりだ。

 

 

さて、5月の連休も終了し、本年もあっという間に後半に突入した感がある。

弊社では、4件の特許を弊社単独で取得し、弊社の現状を正直にさらし、

大手メーカーなどに提案して協力を仰いだが、協力は得られなかった。

大手メーカーでも、コロナ禍の影響は少なからず受けており、具現化されて

いない特許の採用は、出来なかったのだろうと理解した。

 

そこで、自費で特許を具現化し、出来上がった商品を持参し、再提案を

行う決心をした。

既に、回転式シェーバーの「外刃」の順送プレス量産化は完成済み。

「内刃」の特許を織り込んだ商品も完成し、実際に髭剃りテストを行い、

良好な切れ味と深剃りが実証され、更に肌に優しいことも実感出来ている。

 

上記、弊社製順送金型を用いて「外刃」を量産している、国内の回転式

シェーバーメーカーに、サンプルを提出してあるのだが、「採用」の連絡

は未だ来ていない。もともとOEMで、米国商社に販売していたもので、

今回のコロナ禍の影響を受け、世界的にテレワークや巣ごもりで、髭を

剃らなくなったことが販売不振の原因になっているほか、中国のシェーバー

メーカーが、同じ米国商社にOEM供給しているため、価格競争面で敗者に

なってしまっていることも、販売不振の要因の一つである。

 

只、アマゾン通販などのランキングや寸評では、中国製の回転式シェーバー

について、価格面では優位に立っているが、切れ味や深剃り性能、肌触り

等の電気シェーバーの基本性能の低さが指摘されているので、私個人と

しては、国内メーカーに「外刃」「内刃」の両方を採用して頂き、性能面を

アピールすることで、外貨獲得に向けて一念発起して頂きたい所ではあるが、

こればかりは、私の声が届いたとしても、動いて下さるかは客先次第だ。

 

弊社としては、特許を取得し具現化した物が完成している以上、指をくわえて

待つほどの経済的な余裕もないので、数ある中国の回転式シェーバーメーカーに、

オール機械加工方式で「外刃」「内刃」を量産し、一手に納入している刃物

メーカーがあるそうなので、その刃物メーカーに対し、順送プレス化による

コストダウンを提案し、日本メーカーの100倍近く製造している刃物市場に、

割って入りたいと思う。

 

加えて、注射針やシャープペンシルの特許を具現化するため、今までは弊社の

優秀な協力工場にお願いしていた部品加工などを自社で行うべく、この6月、

大幅な設備投資を行い金型製造設備を拡充し、まずはシャープペンシル

特許を具現化し、国内筆記具メーカーに提案したり、来年東京ビッグサイト

で開催される、文具の国際展示会に出展し、海外の筆記具メーカーに対しても、

きちんと提案して行こうと思う。

 

ひとつづつではあるが、着実に取得特許を活かして行きたい!

その為に、粉骨砕身、全身全霊、頑張る!

 

 

弊社にご興味・ご質問などある方は「tokuda.ard1272@gmail.com」にメールを下さい。

 

 

 

回転式シェーバー「内刃」について、その2!

ようやく我が日本でも、コロナワクチンの医療従事者への先行接種が

始まった。ワクチン接種で一日も早く、コロナ禍の終息を祈るばかりだ。

そして今日も、コロナ禍で亡くなった方々のご冥福を心から祈ると共に、

医療従事者の方々に、心からのお礼と感謝を申し上げる気持ちだ。

 

 

さて、一件前のブログの続きだが、回転式シェーバー「内刃」について、

2件の特許を出願すると共に、自社で試作を行った結果を記す。

この試作には、国内で唯一、回転式シェーバーを製造販売している老舗の

企業に協力して頂き、過去に製造販売していた、オール機械加工方式の

「外刃」に組み込まれた「内刃」製作用の順送金型を借用し試作を行った。

 

但し、「内刃」の刃先の仕上げは、順送プレス加工で製造された「内刃」

に、機械で研磨加工を行って仕上げているため、「内刃」の刃先先端の

寸法精度はそれほど重要視しておらず、実際、寸法に微妙なバラつきがあった。

この微妙なバラつきの為、部分鍛造工程にもバラつきが生じてしまった。

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上記写真の通り、一枚の刃の幅は0.52㎜、刃の厚みも0.5㎜、部分鍛造の頂点部と

切断する刃先との距離が0.0889㎜、切断する刃先と髭を一度引っ張る一次刃のエッジ

までの距離は0.1851㎜なので、部分鍛造を揃えることと刃先を揃える為には、加工

精度がいかに重要かが容易に判断できる。そしてまた、これだけ微細な部分鍛造に

よる一次刃の形成が、いかに困難な技術であるかも容易に判断できる。

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そして上記の写真の通り、部分鍛造で一次刃のエッジを鋭く出すことに成功した。

又、従来の切断する刃を形成する角度も、部分鍛造を行った結果、小さくすることが

出来た。

こうして部分鍛造金型を微調整しながら、試作を繰り返していたある日、吉報が

届いた。お世話になっている弁理士から、「特許が査定された。」と。

そしてその後、特許証が送達され、「特許第6482149号」「特許第6525298号」を

単独で保有することとなった。

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上記写真の通り、切断する刃先の角度が、旧刃に比べ特許を織り込んだ刃の方が

鋭くなっっていることが見て取れる。

一次刃で一度髭を引っ張りながら、切断刃で切断する際、髭を逃がさずに切断

出来る為、より深剃りが可能となる他、切断刃の角度が鋭角になったことで、

切断抵抗が減少し、切断刃で髭を引っ張ることが旧刃に比べ減少することで、

肌への負担が減り、より肌に優しい深剃りが可能な回転式シェーバーとして、

ユーザーに提供できる。

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金型をお借りした国内唯一の回転式シェーバーメーカーに、2件の特許を提案したが、

やはり老舗の為か、自社開発以外の技術を受け入れることに、大きな抵抗があるらし

く、今のところ、前向きな回答を得られていない。

又、老舗の企業ではあるが、外部大手企業が全株式を保有しているため、全てに決定

権は無く、もの作りに対する士気が落ち込んでいるのも確かである。

 

もともと3ヘッドの回転式シェーバーは、海外の商社に依頼されたOEM商品であり、

国内向けの商品は無かったが、2017年3月24日付けの日本経済新聞に公告を掲載し、

「Made in Japan」を掲げ、国内や海外の一部に発売されたモデルがあったが、

多大な投資を行い「外刃」も回転させたのだが、髭が髭進入溝に入り難くなり、

髭剃りにかかる時間が大幅に長くなってしまった。「外刃」を回転させないモデル

に比べ、約2.3倍となってしまった。結果として、様々な要因があるとは思うが、

鳴り物入りで発売を開始したモデルであったが、販売数は伸びず、現在はほとんど

売れていないし、製造されているのかも不明だ。

 

私もどうにか、再建中の会社に立ち直って頂きたいと考え、内刃の試作も全て

自費で行ったし、特許を織り込むことで、どのようなメリットがあるかを、事細か

に比較し、レポートにして提出したが、何の回答も得られなかった。

多分、この国内唯一の回転式シェーバーメーカーで、特許を利用して製品化される

事はないと思う。

 

この国内メーカーのOEM先である海外の商社は、中国のシェーバーメーカーからも、

OEM仕入れている。そしてその中国メーカーの商品は、とにかく安価だ!また、

安価だけではなく、商品価値もコスパに優れている。

「外刃」はプレス加工+オール機械加工の旧式ではあるが、多額の資金により、

高額で高精度な工作機械を導入することで、急速に製品精度を上げてきた。

 

下の写真の通り、パッケージの中には、回転式シェーバーだけでなく、もみあげや

髭を整えるトリマー、鼻毛カッター、肌用回転ブラシなど、スキンケア―用品も同

梱されていて、通販で買うと、全部で税込み2,500円程度で購入できる。これでは

国内メーカーも、全くと言って良い程、太刀打ちできない。

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今後海外の商社は、中国メーカーからのOEM仕入れが、増加の方向に向かうと思われ

るので、「外刃」の順送プレス量産化の提案や、「内刃」の特許の提案や製作方法等、

顧客は中国のシェーバーメーカーに移って行くことを、想定した動きになると思う。

日本の国益の面でも、中国に仕事を依頼して円を払ったり、中国から完成品を買って

円を払うばかりでなく、中国から、外貨を得る方法を貪欲に考えなければ、日本の製

造業は、益々加速している衰退の一途を辿るであろう!

 

現時点で現役の我々が、真摯に考えて行動を執って行かないと、我々の孫世代、曾孫

世代に、ごく当たり前の日常、平和で緑豊かな暮らしやすい日本を、残すことは出来

ないのでは?

 

 

 

 

 

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回転式シェーバー「内刃」について、その1!

コロナ禍で命を失った方々に、謹んでお悔やみ申し上げます。

そして、日々、ギリギリのところで戦って下さっている、

医療従事者の方々に、心から感謝申し上げます。

 

そして、福島・宮城の地震で被災された方々に、

心からお見舞い申し上げます。

非力ゆえ、何も出来ない不甲斐なさばかり!

本当に情けなく、悲しく思います。

 

でも、生き続けなければなりません。

前を向きます。

 

 

前のブログでは、回転式シェーバー「外刃」について記したが、

このブログでは、「外刃」の内側にセットされ、「外刃」に進入してきた髭を、

実際に切断する「内刃」について、記したいと思う。

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上記写真のように、「外刃」の内側の平面部に接して回転する「内刃」

によって、ハサミの両刃がかみ合ったような状態になり、「外刃」の

髭進入口(溝穴)に進入してきた髭を、切断する構造である。

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その「内刃」の断面を見てみると、鋭角な角度が付けられている。

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髭の硬さは、同じ太さの真鍮という金属と同等の硬さと言われていて、

ステンレスと呼ばれる硬い材料で作られていても、摩耗してしまうほどだ!

そこで、「外刃」「内刃」共に、焼き入れ処理が行われている。

「外刃」の「内刃」を受ける部分の刃の厚みは0.1㎜~0.15㎜ほどあり、

その厚みは、皮膚と回転してくる「内刃」の間に距離を作っているため、

その距離の分、髭の剃り残しが出来る。そのため、T字型のカミソリなど

のように、皮膚を直接刃でこすりながら、髭を切断することが出来ないため、

電気シェーバーとの深剃り感の差が縮まることはなかった。


しかし近年、オランダのP社製の回転式シェーバーのように、髭を一度

抑えてから切断するような、複雑な「内刃」が開発され、搭載された。

実際に購入して髭剃り実験、分解してその構造を調査したが、メカを複雑にし、

大幅にコストをかけた「内刃」だったが、髭剃りテストの結果は、やはり、

電気シェーバーの域を超えてはおらず、深剃り感がT字型のカミソリに及ぶ

ものではなかった。

 

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構造を複雑にした割には、髭を一度引っ張る役目をするはずの一次刃を可動

させているのだが、可動させるスプリング力が微弱で、髭を抑えきれず、

髭の表面を滑ってしまったために、本来の役割をしてないことが原因で、

一次刃がない「内刃」と同等の結果しか得られなかったのだ。

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そこで考えた。

「部品点数を増やさずに、確実に髭を捉える一次刃を有し、切れ味鋭い内刃が

作れないだろうか?」と。 

七転八倒を繰り返し、考えに考えた挙句、部分鍛造を駆使し、

一次刃のエッジを鋭く形成する工法を思いつき、試作してみることにした。

試作と並行して、特許が取得できないかと考え、予てより親交があった

弁理士に相談したところ、「是非特許を取得しましょう!」

と言うことになり、「内刃」に関する2件の特許を出願したのだった。

 

続きは次のブログで!!

 

 

 

 

 

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物理的に当然の破断との戦い!

今日は冷え込みの厳しい朝だった。

コロナ禍で発出されている、緊急事態宣言の効果が表れ、

新規感染者数は減少の傾向だが、医療体制は逼迫の状態に、

なんら変わりはない。医療従事者の負担軽減のためにも、

自分は感染防止対策を厳重に行い、自重・自粛の生活を続ける。

 

さて、ひとつ前の記事で、回転式シェーバー外刃について、

大雑把に述べたが、この記事では、少し細かく、絞りが成功

するまでの経緯を述べたいと思う。

 

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上記の写真は、絞る前のブランクの状態。

結構な数の、ヒゲが入る穴が開いている。

 

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 内側の髭が入る穴と外側の髭が入る穴の間に、

補強のビードが一段絞られている。

上手く絞らないと、この工程で破断が起きてしまう。

 

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 この状態から、七転八倒

素材が硬いステンレスで、薄いから伸び代は無いし、

試作を受注した以上、「出来ませんでした。」とは、

口が裂けても言えないし、納期はすぐそこに迫るし!

 

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腐らず、諦めず、ひたすら悩み苦しみ、幾度も金型を壊しちゃ

作り直しをした結果、遂に破断する箇所なく絞ることが出来た。

この製品に後加工を施し、必要な製品の形にしてサンプルを持参し、

客先に参上した時、客先の社長と直にお会いさせて頂いた際、

「貴方は弊社の救世主です!」そうお褒めの言葉を頂いた。

 

その後、実証実験用の試作を数千個作らせて頂き、良い結果が

得られたとのことで、量産用の順送型を発注して頂いた。

 その際、「ロイヤリティ契約書」を締結させて頂いた。

その内容を簡単に説明すると、

・外刃に関する他社の仕事はしないこと。

・上記の対価としてロイヤリティを支払うこと。

・金型のスペアー部品は契約先に発注すること。

 

そして順送型の製作に入ったのだが、2種類の外刃を造るのに、

2型発注して頂き、その2型で、2種類どちらの外刃も生産できるように!

とのご希望だったので、金型設計の段階から、とてもシビアになった。

しかも、ヒゲが入る穴の寸法が、最小部で0.2㎜ほどしかなかったし、

金型の材料は、指定された超鋼を使用するので、それはそれは、

神経をすり減らした。

又、パイロットミス検やストリッパークリアランスのセンサーを

入れるのは当たり前だが、ヒゲが入る穴を開けた次のステージに

カメラを入れ、プレスのストロークに合わせてシャッターを切り、

穴の欠損をチェックできるようにしたのは、当時、金型人生37年で

はじめてのことだったので、手探りの状態だった。

 

ほぼ寝ずに行っていた、金型設計の段階で納期が来てしまい、焦った。

どうしようかと考えている内に、焼けた石が胃袋に入っているかのように、

すっしりと思い痛みを連続的に感じ、「とうとう胃癌になったか?」

そう思い、会社近くの病院の門を叩いた。

症状を説明すると先生が「それは身体が病んでるのではなく、心だね!」

そう言って、薬を出してくれた。そして工場に帰り薬を飲んだら、即効

焼けた石が何処かに消えた。その副作用か?半端ではない睡魔に襲われた。

客先にも正直に事情を説明し、納期延長の許可を頂いた。

 

受注から半年、生みの苦しみで製作した金型が出来上がり、納品した。

客先で量産する実機にてトライアルを行った結果、一発でOK!

長い戦いは終わった。そしてそれから8年、スペアー金型は製作せず、

スペアー部品を交換しながら、現在も量産が行われており、そのメーカーの

回転式シェーバー全機種に、私が製作した順送型で量産した外刃が、

搭載されている。下の写真が2種類の外刃である。

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その後、東京海上キャピタル株式会社の、2016年6月3日付けの広報に、

「プレス加工の自動化ラインによるカッターの量産に世界で初めて成功した。」

そう記されたのを見た時は、とても誇りに思えた。

 

この外刃のプレス化を経験し、天面に複数の穴が開き、その穴が絞りの肩まで

到達していても、絞れる工法があると発見出来たことが、大きな財産となった。


次のブログでは、上記外刃とセットで回転式シェーバーの刃を形成する

「内刃」について書きたいと思っている!

 

追記。

毎日、コロナ禍による死者数が報道されている。心からご冥福を祈ります。

そして、それと同時に、医療従事者の方々に対し、深く感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

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感謝の気持ちを込めて!

自分は、プレス金型製作の業界に就き45年になるが、

この45年間の間に、結婚し、子育てをさせて頂き、

孫9人、ひ孫1人に恵まれ、何不自由無い人生を送らせて頂いた。

学歴の無い自分に、普通以上の人生を授けて頂き、今はただ

感謝の気持ちしかない。

 

金型製作を続けて来れなかったら、今の自分はない。

丁稚で働かせて頂いた最初の町工場に感謝。

数値制御機械を習得させて頂いた2社目の町工場に感謝。

3次元金型を習得させて頂いた3社目の町工場に感謝。

そして、独立後、仕事を下さった得意先に感謝。

 

恵まれていたのは、設計からトライ調整・納入まで、

ひとりで行う、町工場で修業出来たことだ!

そうでなかったら、独立後、東証一部の大企業と、

差しでテーブルに就き、質疑に即答出来なかっただろう!

 

又、大企業の社長から、「君は我が社の救世主だ!」

そう言って頂いたことも有った。

その時の仕事は、「回転式シェーバー外刃」を、

世界で初めて髭が侵入する穴を135個開けた状態で、

絞ることに成功した時だった。

 

電気店でよく見かける、オランダのフィリップス社製の、

3ヘッドの回転式シェーバーは最もポピュラーだが、

外刃の加工は、プレス加工+オール機械加工(電気加工)の

コラボにより、現在もその工法で製造されている。

 

私が契約し、取り組んだ企業A社の回転式シェーバー外刃も、

以前はプレス加工+機械加工(切削・研磨)だったが、

OEM先からのコストダウン要望に応える為には、

プレス加工のみで、髭進入穴の加工までを行わなければならず、

日本全国の金型メーカーに製作・検討依頼をしたそうだが、

断られ続けたと聞いた。

 

2012年2月29日~3月2日、東京ビッグサイトで開催された

FC-EXPOの、私が出展していたブースにA社の開発担当の方が

お越しになり、「この部品(外刃)のプレス化は可能か?」

そう仰られたので、「試作を行うことは可能です。」

「ただし、試作品が出来ても出来なくても費用は支払う。」

「前金で半額支払う。その内容の注文書を頂ければ着手します。」

 

いきなり生意気な条件を申し出たが、私としても正直、出来るか?

出来ないか? その場で判断できるような簡単なものでは無かったし、

私が懇意にしている業者の方にも協力を仰ぐことと、私自身も、

出来なかった場合、無償にするほど余裕が無かったのでそう申した。

でも、その生意気な条件にもかかわらず、一度も取引の無い、

会社の規模や内容もわからない弊社に、注文書を書いて下さった。

 

それだけ、OEM先からのコストダウンの要望が厳しかったことと、

コスト競争を繰り広げていた中国のシェーバーメーカーの台頭に、

A社は相当に追い込まれていたことが判断できる。

 

次のブログで、「回転式シェーバー外刃」の完成までを記す。

 

 

 

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コロナ禍の影響は、全世界の全ての人々に少なからず悪影響を及ぼしています。

そのような中、無くなられた方々に、心からお悔やみを申し上げたいと思います。

そして医療従事者の方々、本当に有難うございます。腐らずに己と家族を犠牲に

して、命を救い続けて頂き、心から感謝申し上げます!

 

そのような中、自分に出来ることは、自分が携わってきた45年間の仕事で、

人々の為に何かできないだろうか?などと考えながら、日々研究開発に没頭し、

休日はじっと家にこもり、生活必需品の買い出しだけ、不織布マスクを2重に

着け、消毒液と消毒ティッシュでマメに消毒しながら、早めに買い物を済ませ、

また家にこもる生活。

医療従事者の方が腐らずに務めて下さっている以上、自分らも腐れません!

 

おいおい、研究開発の成果を記載して行きます。

 

 

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約3ヶ月ぶりの投稿です。

 

早いもので、2020年も残り2ヶ月と5日になりました。

今年は新型コロナウィルス感染症に始まり、それで終わります。

効果的なワクチンも無く、特効薬も無い中で、世界中に広がり、

罪もない方々の大勢の命が奪われました。

只々、ご冥福をお祈り申し上げることしか出来ません。

本当に悲しい一年でした。しかし、未だに終息どころではなく、

欧米やその他の国々で、第二波、第三波に襲われ続けています。

 

我が国でも、1日に平均で400人超の新たな感染者が出続けており、

終息の見通しがつかないまま、社会活動は元にもどそうとする動きが

強まっていて、欧米のようにならないで欲しいと願っています。

 

私のような極小町工場の経営者にとっても、コロナ禍の影響は、

経営を逼迫させました。国や県の支援により、給付金等を頂き、

そして、融資の借り換え等で、金利や保証協会保証料などを優遇

をして頂き、何とか耐えている状況です。

決して十分とは言えない保証等ではありますが、一時的にでも、

救われました。素直に心から感謝したいです。

 

2021年がすぐそこにやってきており、新たな年に向け、一歩先に

歩み出ようとすることが、今は大切かと思っております。

 

2019年11月、「痛くない注射針!」をキャッチフレーズに、テルモ(株)

岡野工業(株)が共同開発した、Ⅰ型糖尿病の方々が使っている、

インスリン自己注射針の中で、たびたび見られる、薬液の突出不良

などの問題を解決すべく、「もっと痛くない注射針!」と謳えるような、

注射針の製造方法の開発に、弊社単独で成功しました。

そして、2020年9月、弊社単独で特許を取得しました。

現行品よりも更に細くすることで痛みを緩和し、薬液の通り道を広げる

ことで、薬液の突出不良も解消しました。注射針が細くなったことで、

その刺し傷の治癒期間も短くなり、硬化する皮膚の度合いも軽減できます。

 

しかし、弊社は典型的な極小の町工場なので、弊社単独では、到底この

注射針の量産は不可能です。大手医療器具メーカーの方々等とタッグを

組み、一日も早く、現行品より「安心・安全・安価」な注射針を、患者の

皆様方に届けられるよう、粉骨砕身頑張る次第です。

 

注射針をご使用になられてる方々、製品の完成を今しばらくお待ち

頂きますよう、お願い申し上げます。

又、注射針を使用していない一般の方々も、注射針の完成を応援して

頂きますよう、お願い申し上げます。