我々町工場は、大きな誤解をしているのかも?

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我々町工場は、とかく、大手上場企業をうとましく思いがちだ。
しかし、「実るほど頭をたれる稲穂かな」まさに、我々の誤解かもしれない。
大手上場企業(エンドユーザー)と町工場の卓越した技術は、接点を持ち得ない。
大昔の武家社会の時代から、農業にしても、漁業にしても、あらゆる産業で、直接、殿様には、その物を生産する人たちの姿や、暮らし、賃金など、そして、買取の価格など、直の声が届かず、仲に入る悪徳商人や悪家老・悪代官の存在が、生産者から見た殿様の姿を、好印象にはしていない。また、生産者の苦悩を殿様が知る由もない。
今の日本の製造業の姿は、全く同じだ。
私も展示会を契機に、大手エンドユーザー様と直接打ち合わせ(面談)の機会を頂く事が多くなり、あらためて思い知らされた事だが、私のような小物相手に、決して高飛車には出ず、同じ土俵に平等に立って下さるのだと言う事を!
私も34年間、金属プレス金型と金属プレス加工に携わってきて、いつも一番裾野の根っ子だった訳だが、すぐ上の得意先にさえ、とんでもない高飛車な態度を取られ続けてきたので、その数十倍も、高飛車にされるのだろうと腹をくくって行ったが、全く、それは180°違っていた。率直に、長年、その分野の大手専門メーカーとして歩んで来た中で、
私が提示したサンプルに対し、「自分らに出来ない事が悔しい!」そうおっしゃった。
やはり、これだけの苦境の中、その地位を築き、維持して来た背景には、技術スタッフそれぞれの方々の謙虚さが、そうさせて来れたのだと、納得せざるを得なかった。技術屋どうし、そこに至る苦労が分かればこそ、卓越した技術の価値を認める事が出来るし、また、他が研究した物を認められるうちは、自らも成長出来る。他を認められなくなったら、自らの成長の可能性はゼロになる。
展示会終了から40日程になるが、ようやく、私の目標に対し、一筋の光が見え始めてきた気がする。
日本全国、技術を研ぎ澄ました町工場は山ほどあるが、その技術をエンドユーザーに知らしめる機会は皆無だ。何故なら、資本が出てる一次下請けや二次下請けの存在に阻まれ、その技術は、あたかもそこの技術のように受け止められてるからである。
私は、展示会に出展したお陰で、エンドユーザーに発信する術を得た。あらゆる町工場の物づくりの技術を発信し、興味を持って頂いたエンドユーザー様に、技術営業する事で、本物の技術の発信源が我々である事を、訴えて行きたい。そして、エンドユーザーと町工場が直接接点を持てるように、手助けして行きたい。それは町工場の為だけでなく、エンドユーザーにとっても、中間の業者に大幅な手数料を取られる事がないので、莫大なコストダウンに繋がり、相乗効果は半端ではなく得られると思う。
私自身が瀕死の状況の中で、あのような大舞台である国際展示会に出展した目標・目的は、100年に一度の大不況の底なし沼から、日本全国の町工場を引きずり出す事。そして、自らも這い上がる事。どうか、瀕死の町工場の皆様、既存の仕事では、日本の製造業は生き残れません。唯一生き残れるであろう新エネルギー業界を学び、独自の究極の技術を生み出し、私に発信して下さい。それを私が国内・海外のエンドユーザーに発信します。
自社ばかりでなく、皆で良くなり、皆で笑いましょう!
「待てば死のみ!」実行力のみが、己・家族に生をもたらします。今まで何十年も、その道一筋精進してきた技術は、創意と絶妙な工夫で、新技術に蘇ります。
そして、この信念だけは貫いて欲しいのですが、「作った製品(部品)は売っても、技術は売らぬ。」町工場の生き残りに必要不可欠なのは、命である技術を売らぬ事なのです。例えば、何十億積まれても、己の命や子供の命を売ることは出来ないでしょう!それと同様に、自分の技術を考えて欲しいのです。 それぞれ、考える時が今です。