”人の和”

此処の所、2ヶ月あまり忙しかったので、久々の更新です。

最近、とある大手さんとの関連で、金型工場を発掘するため、埼玉、群馬、栃木と歩いています。

忙しい工場は、3交代制をとって、昼夜動いているし、そうでないところは閑散としていて、両極端です。
そして、量産プレスと金型の両方を営まれてる方が、やはり、元気が良く、金型だけの場合、うまく行かずに赤字になった部分を、取り戻すすべがないので、利益につながらないと嘆かれています。

日本国内に残されてる仕事は、どれを取っても、難しい仕事ばかりで、玉製に時間のかからない仕事は残っていません。
最近は、シュミュレーションソフトが良くなったとは言え、材質や板厚、ダイの滑り込みの仕上がり具合、熱処理や表面処理の有無で、製品の形は微妙に変化するので、毎回、悩み苦しみます。

難しい仕事と、比較的手離れが良い仕事が、合わせて出来るならば、トントンの状態に出来るでしょうが、価格的に見ても、難しい仕事を、同業者同士で、叩き合って価格破壊を招いてしまってる現状なので、みんなで、もがき苦しみ合っているのです。

「自社に仕事があれば良い!」「自社が勝ち組になれれば良い!」

本当にそうでしょうか?

「皆が良くなればよい!」「皆が勝ち組になれば良い!」

ではないでしょうか?

業界全体で、底上げを図っていく努力をしないと、一時的には勝ち組を誇れたとしても、沈んでしまいます。

経営者一人一人が自社の社員の生活を考えるなら、同業他社の従業員にも生活があることを考え、ほんの少しずつでも、金型価格の底上げと、適材適所に仕事を廻し合いながら、皆で、長きに渡って生き残れるような体制作りをして行かないと、金型製造業は全て廃業に追い込まれてしまいます。

社長である親の、苦しむだけの姿を見て、後を継ごうと考える子供はいません。親が生き生きとし、従業員から尊敬される姿を見て、自分もそうなりたいと思った時、後継者を意識すると思います。

やはり最後は、”人の和”です。

一人では生きて行けない人間社会。同業者全てを家族のように考え、

「皆が良くなれば良い!その為に、自分に何が出来るのか?」

その時は無償でも、後から必ず付いて来る。そう信じて、最終的に皆が良くなってくれるよう、営業活動をしています。

得意分野の最も得意としている技術を磨き合いながら、諸先輩方から教えて頂いた日本の技術を誇りに思い、後世に伝えて、皆で笑って困難を乗り越えられる業界にして行く為に、微力ですが頑張ります!