金型業界の将来

 分業化されている金型業界の将来は、技術者不足による、金型技術の低下につながり、競争力を失った日本の金型産業は、やがて、世界から、製品も、金型も輸入するようになり、物作りにっぽんの称号は消えてなくなる。
 機械の使い方、図面通りの部品の作り方しか学べないシステムでは、金型の1から10までを学びようがなく、金型を見る目の技を持った団塊の職人が、消えつつある。
 セーパーで材料を挽くことからはじまり、ボール盤で振り回されながら、穴あけを覚え、加工しながら、図面を書き、やがて、ワイヤーカット、マシニング等の最新機械をプログラムから操作し、3次元の面貼り、NC出力、3次元切削加工を実務し、プレストライ、展開出し、玉製、客先にて実機トライ、納入・・・!っと一貫して経験しなければ、その金型の悪所を見抜く目を養う事は出来ない。
金型は、設計と玉製が命であり、途中の加工に関しては、
機械の使い方とパソコンをいじる技量でどうにでもなる。

僕は、日本の金型技術の海外流出をどうのこうの言うのではなく、海外の技術の伸びが追いつけないような日本の技術(製品精度、金型製作スピード、金型単価)の構築が必要だと確信する。

それには、熟練した団塊の技術の伝達と、最新設備の融合が必要不可欠なので、団塊の世代の方々に協力していただき、明日の日本の金型技術向上のセミナーが開きたいと熱望している。